
四色の猫たちが福岡へ ― アクロス福岡 展示・セミナー報告
2026年9月6日
8月28日から30日まで、アクロス福岡で開催された「平和のための戦争展ふくおか2026」にて、ガザで暮らすマッスーシーが描いた作品と、ハヤートナが支援する寺子屋の子どもたちの写真を展示するとともに、セミナーも開催しました。
今回、3日間にわたって会場で展示とセミナーに携わったヒカルさんから、来場された方々の様子や、マッスーシーの作品に寄せられた声について報告が届きました。

「新聞を見て、四色の猫たちに会いに」
今回の展示では、「西日本新聞の記事を見て来ました」と声をかけてくださる方が多くいらっしゃいました。新聞でマッスーシーの作品やその背景を知り、実際の絵を見ようと会場まで足を運んでくださった方々です。初めて作品を見て、感じたことを伝えてくださる方もいらっしゃいました。
会場には、マッスーシーの絵とともに、ガザの寺子屋やハヤートナの教育支援について紹介する資料を設置しました。
「ガザ教育支援のお願い」と、今後開催予定のイベントの案内は、3日間で約200部を手に取っていただきました。こちらから積極的に配布したものではなく、展示をご覧になった方々がそれぞれ手に取ってくださったとのことです。
マッスーシーの絵を見ることから、その背景にあるガザの暮らしや、寺子屋で学ぶ子どもたちへと関心を広げてくださったことがうかがえました。
「この絵を学校でも展示したい」
作品の前で足を止め、感じたことをヒカルさんに伝えてくださる方もいました。
県内の中学校で美術を教えているという先生からは、
「この絵を学校でも展示したい」というお話をいただきました。
特に心に残ったと話されたのが、パレスチナ国旗に包まれた人々の合同葬儀を四色の猫たちが見つめている二枚の作品でした。
一枚では猫たちが立ち、もう一枚では座って、その光景を見つめています。
先生は、その二枚の絵を見て感じたことを、ご自身の言葉で話してくださいました。
また、別の来場者は猫たちを見て、最初に「かわいい」と話されたあと、
「かわいいけれど、どこか何とも言えないつらさや寂しさを感じる」と付け加えられたそうです。
マッスーシーの作品に登場する四色の猫たちは、一見すると愛らしく見えます。
けれど、その猫たちの視線をたどっていくと、その先には、マッスーシーが暮らし、目にしてきたガザの日常があります。
「かわいい」から始まり、その猫たちが何を見つめているのかへと視線が移っていく。
今回の展示では、そんなふうに作品を見てくださる方々の姿がありました。
「ポストカードはありませんか」
会場では、作品を見た方々から、ポストカードやTシャツについての問い合わせも多く寄せられました。
「この絵のポストカードはありませんか」
「展示されているTシャツは販売していないのですか」
と尋ねてくださる方が何人もいらっしゃいました。
今回は試作品としてTシャツを展示していましたが、販売の準備が間に合わず、会場で作品を使った商品をご購入いただくことはできませんでした。トートバッグやクリアファイルなどについても、今後制作する予定であることをお話しすると、関心を示してくださる方がいらっしゃったとのことです。
こうした声を受け、マッスーシーの作品を使った商品については、現在、販売に向けた準備を進めています。
マッスーシーにとって、絵を描くことは、身体を自由に動かすことが難しくなった中で見つけた新しい活動の一つです。その作品が海を越えて誰かの手元に届くことが、彼自身の仕事につながり、ガザでの活動を続けていく一つの力にもなるよう、形を整えていきたいと考えています。
「セミナーにも多くの方が」
8月29日には、同会場のセミナー室でハヤートナの活動についてお話ししました。
約80席の会場には多くの方にお越しいただき、ガザから届いた映像を上映しながら、寺子屋の活動や子どもたちの様子、現地で活動する人々についてお伝えしました。
当日は、今回の展示に先立ってマッスーシーとハヤートナの活動を取材し、西日本新聞の記事を書いてくださった上野博光記者も参加してくださいました。上野記者にも会場でお話を伺い、取材や記事について言葉を寄せていただきました。また、福岡県外で配布された一部の早版では、ハヤートナについての記事が一面トップに大きく掲載されていたことを教えていただき、実際の紙面も会場に持ってきてくださいました。
今回、「新聞を見て来ました」という方が多くいらっしゃったことからも、一つの記事が、マッスーシーの作品を知り、その背景にあるガザの暮らしや寺子屋の活動に触れる入口になったことが分かります。
「四色の猫たちがつないだもの」
ガザでマッスーシーが鉛筆と色鉛筆を手にして描いた四色の猫たち。
その絵が海を越えて福岡に届き、3日間、多くの方に見ていただくことができました。
「かわいい」と足を止めた方が、その猫たちの視線の先にあるものを見つめる。
新聞を読んだ方が、実際の作品を見るために会場を訪れる。
作品を見た方が、寺子屋の教育支援についての資料を手に取る。
「学校でも展示したい」と声をかけてくださる方がいる。
そして、「ポストカードはありませんか」と、作品を手元に置く方法を尋ねてくださる方がいる。
一枚の絵から、その絵を描いたマッスーシーへ。
マッスーシーから、彼が暮らすガザへ。
そして、寺子屋で学ぶ子どもたちや、そこで活動する先生、若者たちへ。
今回の展示では、四色の猫たちを入口に、そうしたつながりが少しずつ広がっていきました。
アクロス福岡まで足を運び、作品をご覧くださった皆さま、セミナーに参加してくださった皆さま、そして展示の機会をつくり、準備や運営に携わってくださった皆さまに、心より感謝申し上げます。
ガザで生まれた四色の猫たちが、次はどこで、どんな人たちと出会うのでしょうか。
今回福岡で生まれたつながりを、これからの活動へとつないでいきたいと思います。