
物資不足と不安の中で続く、子どもたちの居場所
2026年3月20日
物資搬入の制限や物価高騰、治安の不安定化により、ガザの生活は再び厳しさを増しています。それでもハンユニスとマワシでは、寺子屋とおやつクラブが継続されています。学校に通う機会を失った子どもたちにとって、学びと安心の時間はかけがえのないものです。皆さまのご支援が、この場所を支え続けています。

現在、ヤスミンは抗がん剤治療の副作用が強く出ており、今は近況の共有が難しい状況です。
代わって、福岡でハヤートナの活動を支えてくださっているヒカルさんが、視覚障がい者用の支援ソフトを使い、現地とのやり取りをもとに近況をまとめ、メールで送ってくださいました。
その内容をもとに、ご報告いたします。
ガザでは、攻撃が続く中、状況が再び厳しさを増しています。
2月28日の中東情勢の悪化をきっかけに、ガザへの検問所が閉鎖され、物資の搬入が禁止されました。その後、一か所のみ再開されたものの、搬入される物資はごくわずかに限られています。
この影響で、人々の間には不安が広がり、買い控えではなく、買いだめに走る動きも見られているとのことです。マッスーシとムハンマドからは、スーク(市場)の物価が急激に上昇しているという声が届いています。また、治安の不安定さも深刻です。
ラマダンが始まりまもなく、マッスーシとムハンマドが強盗に襲われる出来事がありました。拳銃で殴られ、連れ去られそうになる場面もあったとのことです。怪我を負いましたが、現在は落ち着いているようです。ヒカルさんにお誕生を祝う歌をプレゼントしたのは、実は強盗事件の直後だったのです。
現地では、強盗団が使用していた武器や車両をめぐり、さまざまな憶測も広がっているといいます。
人々を震え上がらせているのは、ミサイルやドローンだけではない――そんな現実も見えてきます。
そのような状況の中でも、ハンユニスとマワシでは、寺子屋とおやつクラブの活動がなんとか継続されています。
現在、寺子屋には100人近い子どもたちが通っています。
就学前の子どもも多く、また、遠くの学校に通うことができない子どもたちも集まっています。
この数年間で、学校に通う機会を持てなかった子どもたちが多くいます。
文字を学ぶ機会そのものを持たなかった子ども、学んだことを忘れてしまった子ども――
彼らにとって「学ぶ」ということ自体が、これから取り戻していくものになっています。
爆音や振動に囲まれて育ってきた子どもたちにとって、大きな声を出し、体を動かし、安心して過ごす時間は、決して当たり前のものではありません。寺子屋で、先生の声に合わせて声を出し、踊り、遊ぶことは、そんな子どもたちに必要な処方薬のようなものです。
ハンユニスの寺子屋は現在、部屋を借りて毎日開校しています。先生やムハンマド、マッスーシーなどの若者たちが協力し、日本で療養中のヤスミンと毎日連絡を取り合いながら、日々の運営を続けています。週に一度はおやつクラブも実施されています。マワシでも、テントの中で週1回の活動が続いています。
寺子屋の家賃、教材費、先生や若者たちへのわずかな謝礼、そしておやつクラブの運営費――
活動を続けるためには、日々の支えが必要です。皆さまからのご支援が、ガザの子どもたちの学びと、安心できる時間を支えています。