崩れゆく停戦、雨期の始まり ― ガザで生きる人々の声
- Maryam
- 10月29日
- 読了時間: 3分
昨晩、ヤスミン代表からガザの現状について話を聞きました。抗がん剤投与の合間のつらい時間の中でも、彼女は毎晩ガザのムハンマド、マッスーシーと連絡を取り、その様子を福岡のヒカルさんや私に伝えてくれています。
「今の、本当のガザを一人でも多くの人に知ってほしい」――その強い意志こそが、今のヤスミンを支えているエネルギーになっています。
ハンユニスでは、夜になると爆撃や銃撃の音が響き、人々は家の中に閉じこもり、不安な夜を過ごしているそうです。19日の軍事攻撃は激しく、その話をしていた矢先に、今日、再び空爆が再開されました。
おそらくそうなるだろうとは思っていましたが、現実のものとなると、這い上がろうとしていた崖からずるずると後退してしまったような――そんな、呆然とした気持ちになります。
状況は日単位どころか、時間単位で変化しています。それに合わせて、私たちハヤートナの活動プランも、臨機応変に対応していかねばなりません。
支援の“パッケージ”のような形式では、ガザの現実には追いつけない。現場の「今日の声」に耳を傾け、その都度アクションを起こす。――今は、それしかありません。
そして今、もう一つの大きな懸念があります。それは――雨期の到来です。
数日前から、ガザでは雨期を知らせる雨が降り始めたそうです。マッスーシーとムハンマドにとっては、避難生活で初めての「テントで迎える冬」となります。
テントは防水加工も十分とは言えず、上にビニールを張って雨水を逃す工夫をしているものの、床の浸水対策には苦労しているようです。
砂を袋に入れた土嚢のようなものを周囲に置いて防ぐそうですが、果たしてどこまで耐えられるのか――心配が尽きません。
マッスーシーと今月結婚したサバちゃんは、昨年の冬を家族とともにラファのテントで過ごしました。「テントでの越冬が二度目になるのは辛い」と話しているそうです。
その言葉を聞いて、改めて思いました。私たちは「女性と子ども」と聞くと、幼い子を抱えた母親を想像しがちですが、思春期を迎えた少女たち、10代後半から20代前半の若い女性たちが、2年にも及ぶ避難生活の中で抱える心身の負担にも、目を向けなければならないのだと。
食事は今も薪で作っているそうです。「ガスボンベの配給が始まった」という話もありましたが、実際には噂だけだったようです。
薪は市場で買うしかなく、燃焼時間も限られています。それでもムハンマド、マッスーシー、そしてヤスミン代表は工夫を重ね、「おやつクラブ」の子どもたちにお菓子ではなく、もっと栄養価のある軽食を提供できないか――そんな話し合いを進めています。
今、市場で手に入る食材で、燃料をあまり使わず、栄養があっておいしいもの。アイデアレシピが完成したら、私も作ってみようと思っています。
けれど、それよりも先に――どうか空爆の心配から、彼らが解放されますように。



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