top of page

ガザに咲いた小さな希望 ― 一組の家族の誕生

  • Maryam
  • 10月11日
  • 読了時間: 2分

昨晩、藤永ヤスミン代表と少しだけチャットで会話をしました。感染症による入院、そして抗がん剤治療の再開で、これまで携帯電話に手を伸ばすことすら難しい日々が続いていたヤスミンですが、この夜は痛みが少し落ち着いていたようです。

そのわずかな時間を逃さず、彼女はたくさんの動画や写真を送ってくれました。苦痛の波が繰り返される中でも、ほんの一瞬でも痛みが和らげば、現地の子どもたちやスタッフの様子を伝えようとする――まさに「母は強し」です。

動画を確認した後、メールを開くと、ヤスミンを支えているヒカルさんからのメッセージが届いていました。そこには、心が温まる知らせが書かれていました。「なるほど、昨晩ヤスミンの痛みが少しやわらいだのは、この知らせがあったからなのか…」と、私は思いました。

チャットの中で、ヤスミンは「マッスーシーが結婚するかもしれない」と嬉しそうに語っていましたが、その具体的な内容がヒカルさんのメールで明らかになりました。

10日、マッスーシーとムハンマドは、ガザ市からずっと一緒に避難してきた「大家さんの弟夫婦」(ヤスミンがそう呼んでいます)とともに、ザワイダのテントへ向かいました。そこには、マッスーシーの婚約者が避難しています。

目的は、結婚金の一部を花嫁の父親に支払うためでした。これでようやく、マッスーシーと婚約者は正式に結婚することができます。婚約者の父親は、このような状況の中でも分割での支払いを受け入れてくれたそうです。

婚約者からは「まだ? まだ?」と待ちきれない様子で連絡があったとのこと。ようやく結婚金の一部を送金でき、マッスーシーの声は嬉しさでとろけるようだったと、ヤスミンも笑顔。ちょうど停戦合意のニュースと重なったのも、何かの縁のように感じます。

現地時間の10日夕方、マッスーシーは花嫁をマワシのテントに迎え入れる予定です。どうか道中、何事もなく、無事にたどり着けますように。

もちろん、三日三晩の祝宴などはできません。新婚生活も、決して穏やかなものではないでしょう。それでも―この結婚は、二人にとって確かな「希望の証」です。

どうかこの文を読んでくださった皆さまも、遠く離れた地で新たな一歩を踏み出す二人に、心からの祝福をお送りください。

 
 
 

コメント


bottom of page